2019-01-01から1年間の記事一覧

リジンショウ

定期的に私が私であることを忘れてしまう。 いつもは私とは別の場所に意識があって、人の営みを俯瞰しているような感覚で生きている。 けれど私が私でしかないと気付いた瞬間に、心底気色悪いと感じてしまう。 歌を書いて、演奏して、多幸感に包まれていると…

休日(RC2)

休日を作ろうと思っていた。 ここ最近、明確に休日として認識できた日がほとんどない。 強いてあげれば先日の千葉さんのワンマンライブぐらいで、あとは毎日なにがしかの仕事をしている。しかしライブというものは得てして身体が休まらないものである。心に…

千葉晃平という男

ある日、千葉さんとそのお友達と連れ立ってライブハウスに行った。閉店間際の、多くの人に愛された店だった。 そしてそのライブハウスは、千葉さんにとっても大切な場所だった。 千葉さんが客席へと続く扉を開けると、昔馴染みの顔が見えたらしい。千葉さん…

故人

故人を貶めるつもりはない。 けれど死んだら誰もが二階級特進するこの世の中の在り様には、とても疑問を感じる。 生きている人間よりも、死んでしまった人間にこそ優しくあろうとする世の中が、心底気色悪い。 そりゃあ死人に口なし、死んでしまった人間は反…

夢日記

12月11日の夜に見た夢。 久しぶりに京介に会った。京介は高校の後輩で、軽音楽部でベースを弾いていた。僕のことを慕ってくれていたし、僕も彼のことがとても好きだった。彼は優しい男だったうえに諧謔にも富み、少し影はあったけれど協調性も持ち合わせてい…

ガガンボ

身体に悪そうなものを食べたい。 身体を痛ぶることによって心に栄養を与えたい。 使い古した鉄鍋に湯を沸かし、インスタントラーメンを煮る4分間。 僕が何十時間もかけて書き上げたおよそ4分の歌。 本当に、どちらも同じ4分間なのか。 息が詰まりそうな24時…

世界は長い夢

世界に許してもらえないんです。 世間の目がいつもいつもいつもいつもいつもいつも、いつも、いつだって、お前は間違っていると、決めつけてくるんです。 お前たちが俺を許して呉れなくてもかまわない。その代わり、俺もお前たちを許さない。 その憎悪を、き…

サイン、コサイン、端午の節句

自分が好きになって付き合ってた男と別れた瞬間に「あのクソ男」って言い始める女、ナチュラルに二重人格で怖すぎるな。 【気を付けろ!これがクソ男の特徴】 【今まで付き合ってきたクソな元カレを紹介する】 【湘南の風ってトイレの芳香剤の名前ですか?】…

アンパンマン、あたらしいファム・ファタールよ

ごめんなさい。同窓会にはいけません。 いま、いきなりステーキにいます。 40001グラムのフィレステーキ。 いちどでいいから松阪牛を喰ってみたい。 どこか一人で旅に行きたい。 タイに行きたい。 タイで名倉潤の物まねをしながらアンコールワットに入ろうと…

久しぶりに

ここ数ヶ月、バンド編成の曲を一切書けなくなっていた。 僕は作曲ペースが非常に遅い。ああでもない、こうでもないと考えているうちに自分の楽曲がぐにゃぐにゃと歪んでいく。考えなしに経営学部に通う大学生ぐらい芯のない作品を産み落とすたび、僕は落ち込…

鬼滅の刃(のアニメ)が面白くない

巷で話題の「鬼滅の刃」のアニメを視聴した。 YouTubeを開けば「あなたへのおすすめ動画」として鬼滅の刃関連の動画が展開されているし、ネットフリックスで他のアニメを見ようとするとトップページで僕の視界を遮りに来る。Twitterでも鬼滅の刃に関する評判…

女子大生と話すだけの夢

「店長、サザエさんが実写化されるらしいですよ。」 モーニングとランチの時間帯を終え、静かになった喫茶店でアルバイトの女子大生がそう言った。 きっと彼女は、毎週日曜日に磯野家の群像を律儀に眺めているような人ではないし、その実写化にもさして興味…

コーヒーを淹れるだけの夢

‪あまりにも不味いコーヒーを淹れる夢を見た。 これが比類のない不味さなものだから、たくさんの人に嘲笑われた。ずっと嘲笑われているうちに我慢ができなくなって、僕は発狂した。‬ 何をしたかは覚えていない。けれど、おそらく自分の本性を見せて、たくさ…

2019年10月26日(土)鶴舞DAYTRIP

鶴舞DAYTRIPには、一度だけ出演したことがある。 いまサポートでドラムを叩いてくれているナガトくんと僕が、学生時代に組んでいたバンドで一度だけ、出演した。 たしかあれは他大学との交流ライブだったろうか。その日はまだ活動開始したばかりの「スロウハ…

2019年8月6日(火)名古屋CLUB QUATTRO

* 矢場町 交差点 クラブクアトロに向かう僕の目の前には、いつものように刺々しい世界が広がっていた。ささくれ立った建物の輪郭、嫌みなほどに蒼い街路樹、人を受け容れる余裕のない日陰。今日も夏は殺人的な陽射しで人々を灼いていた。 道を行き交う自動車…

2019年6月2日(日)上前津Club Zion

過去を振り返ると、どうしようもない悔恨の念に押しつぶされそうになることがある。世の中には「後悔のないように生きろ」だなんて教訓めいた言葉が蔓延っているけれど、僕はどんな道を選んだところで後悔してしまう気がしてならない。 2019年6月2日。 この…

美しさと醜さと

自身の美的感覚の乏しさを実感する機会は、これまでの人生に数えきれないほどあった。 特に顕著なのは人の顔を美しいと判断するか否かの感覚についてである。 私の目ではどこが美しいのかわからない顔の男が、「美男子」と称賛されている場面に何度も出くわ…

2019年4月20日(土)車道3star

私は以前からある"病"に冒されていました。それは自覚症状がないままに進行することから歯周病や肝臓病とともに「沈黙の病」と並び称される病です。 これといった有効な治療方法も確立されておらず、投薬によって治癒した事例も未だ嘗てありません。 それど…

2019年2月24日(日)新栄RAD SEVEN

新栄RAD SEVENにて。 今日は三重のバンド、Agorophiusに誘っていただいた日です。「僕はニンゲンになりたかった」は、弾き語りでの出演となりました。 僕自身、バンドスタイルで出たい気持ちはありましたが、条件が揃わず、結局一人で出演することを選びまし…

2019年2月2日(土)車道3star

近ごろ、「ライブハウス恐怖症」を発症していました。 ライブを見に行こうと思っても身体が動かなくなり、なんとか駅の改札の前まで行ったものの、引き返した日がありました。どうにかライブハウスの前に来たはいいものの急に入るのが億劫になってしまい、ビ…

2019年1月18日 新栄SiX-DOG

先日のライブレポート、上げようか悩んでいましたが、やはり毎回、これは書くべきだなと思いまして。 あまりにも自分の気持ちに素直に書いているから、読んでいて不快になるかもしれません。あの夜、僕は打ち上げで泣き出してしまって、ほかのバンドマンがま…

夜はか細く、深く、長い

その日、わたしは流行りの感染症に侵されて、床に伏せていた。こんな時にはいつも、朝が遠い。 体内に闖入した菌を殺害するための抵抗としてわたしの身体が選択したのは、「体温をわずかに3℃ばかり上げる」という愚にも付かぬ下策だった。 その下策の巻き添…