コーヒーを淹れるだけの夢

‪あまりにも不味いコーヒーを淹れる夢を見た。

これが比類のない不味さなものだから、たくさんの人に嘲笑われた。ずっと嘲笑われているうちに我慢ができなくなって、僕は発狂した。‬

 

何をしたかは覚えていない。けれど、おそらく自分の本性を見せて、たくさんの人の恨みを買った。

 

僕は屋上の駐車場に登ると、白いセダンに乗って一目散に逃げ出した。背が低く、古く、かび臭い車だった。曇天の下を運転しながら、涙が止まらなかった。

 

逃げた先で、今度は自転車に乗り換えた。

自転車に乗って、何故かショッピングモールに入っていく。自転車のまま、無理にエスカレーターに乗る。その場所からしか逃げることができないと、僕は信じ切っていた。

 

たくさんの人の悪意を向けられる夢。その原因を自分自身で作っている夢。人を怖がり、自身を責めることしかできない夢。

近ごろはそんな夢ばかり見ている。