青テルマ山テルマ / 二人いるね

今日は風が気持ちいい。日陰に入ると太陽の煩わしさを忘れ、ただ風の心地よさだけを享受することができる。梢がさやさやと揺れ、細かな影がそのたびに揺れ動く。テレビゲームが大好きなぼくは、いつかはこんな光の処理さえ完璧に再現するエンジンが現れるのかとよくわからない期待をしている。ここ数日はずっと胸が苦しい。仕事をしているときも、音楽のことを考えているときも、なにもしていないときも、ずっと脳が回転し続けているような気がする。電源を切られることなく、回り続けるハードディスク。日々、小さなエラーを重ね、そのまま使い続けているうちに個人的なプロファイルがぶち壊れていくかのようだ。どこにも居場所がない気がする。どこにいても、そこに自分がいてはいけない気がする。いつも何かに否定されている気がする。誰かが心から楽しい思いをしているときに、自分はとてもつまらなさそうな顔をしている。人と気持ちを共有できないのは、慣れてはいるがやはり苦しい。人の目から離れたい。誰もいない場所に行きたい。いくつになっても、こういう日々がやってくる。多くの人が、そんな腐った気持ちを吐き出すこともなく、自分の中にだけ溜め込み、そしてなんとか笑顔を繕って辛うじて生きている。ぼくはいつまでもそういう忍耐力を手にできない。こういうことは、口に出した者の負け。そうなのかもしれない。けれど、ぼくはいつまでも負け続ける。ぼく以外の負けてしまった人を肯定するためにこそ。そして、誰かが無理な笑顔を作らず済むようにするために。