バンドマンに聞いた話では、滋賀のB-Flatというライブハウスには幽霊が出るらしい。
バンドマンには怪談好きが多い。
論理的思考を以て
「それほど幽霊がいると思うのなら、おれに証明してみせろ。」
などと人を威嚇するバンドマンは、じつは殆どいないような気がしてならない。
夢を追っているからではない。幻想を抱くのが好きだからではない。きっと彼らは、否定することにも、否定されることにも疲れてしまっている。
なればこそ、このライブハウスに於ける、
"ステージの上にある換気口からは時折幽霊が覗くことがあり、その幽霊を発見したバンドは大成する"
といった根拠のない与太話を、否定する気にはなれないのだ。
しかしこの大津のお化け屋敷の店長さんは、実に明瞭に笑った。彼が笑うたびに、周りの人も釣られて笑ってしまうような明瞭さだった。
ここに実在して、バンドマンに希望を抱かせたり、失望させたりするお節介な幽霊も、じつはこんな風に笑うのではないかと思われた。
今日の出演者は三組だった。弾き語りの方と、ラウド要素の強いミクスチャーロックバンドと、我々。平たく言えば、異種格闘技戦であった。
今日のライブでは、新たな試みをした。近頃文學に没頭しているぼくなりに、バンドの世界観を表現しようとした。どんな表現なのかはまたライブで見て頂けたら、嬉しい。
荒削りなりに、振り切ったライブができた日だった。
セットリスト
1.インスト
2.ペルソナ
3.アリとキリギリス
4.くず
5.セロトニン
6.グッドウィルハンティング